Nature ハイライト

天体物理学:ガンマ線バーストからの超高エネルギーγ線

Nature 575, 7783

GRB 180720Bを観測したHESS望遠鏡群は、集光鏡の面積が614 m<sup>2</sup>の大型望遠鏡1台と、集光鏡面積が各107 m<sup>2</sup>のそれより小型の望遠鏡4台からなる。
GRB 180720Bを観測したHESS望遠鏡群は、集光鏡の面積が614 m2の大型望遠鏡1台と、集光鏡面積が各107 m2のそれより小型の望遠鏡4台からなる。 | 拡大する

Credit: MPIK / Christian Föhr

長時間継続するガンマ線バースト(GRB)は通常数十秒間続き、その後に残光段階となる。GRBは、重力崩壊型超新星から生じると考えられている。エネルギーの大半は、キロ電子ボルトからメガ電子ボルトの範囲のエネルギーのγ線によって運ばれるが、エネルギーが1 GeVを超える光子もいくつか検出されている。しかし、100 GeVを超えるエネルギーではこれまで観測されていない。今回E Ruiz-Velascoたちは、GRB 180720Bの即時放射の10時間後の、X線フラックスがすでに4桁減少した時に始まる、そうした高エネルギーγ線を観測した。著者たちは、こうした高エネルギー光子は、低エネルギー光子が相対論的電子と衝突した後に散乱されてより高いエネルギーになる、逆コンプトン散乱によるものと考えている。

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