Nature ハイライト

分子生物学:CTCFパラログであるBORISのがんでの働き

Nature 572, 7771

DNA結合因子CTCFはDNAループをつなぎ留めて、ゲノムが構造化したドメインを形成するのを助ける。今回R Georgeたちは、CTCFの生殖細胞特異的なパラログで、がんで過剰に発現しているBORIS(brother of the regulator of imprinted sites)について調べた。神経芽細胞腫細胞はALK阻害剤による治療に対して段階的に抵抗性となり、抵抗性を獲得した細胞では転写の再プログラム化が起こってBORISの発現が亢進する。BORISはDNAの新たなループ形成とクロマチン相互作用を促し、これが遺伝子の調節に影響する。そのため、BORIS遺伝子の発現はこのような抵抗性細胞の増殖や表現型変化に重要な役割を果たしている。

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