Nature ハイライト

生化学:ずっと未発見だったミトコンドリアのATP感受性K+チャネルが確認された

Nature 572, 7771

ミトコンドリア膜ではATP感受性のカリウムチャネルが働いているとずっと考えられてきたが、それがどのような分子なのかは不明で、その薬理学的性質も明らかになっていなかった。今回D De Stefaniたちが、長い間探し求められていたこのミトコンドリアタンパク質複合体(mitoKATPと呼ばれていた)を見つけ出し、これがATP感受性カリウム電流に関わっていることを明らかにしている。細胞膜にあってこれとよく似た働きをしているチャネルと同様、mitoKATPは小孔形成サブユニット(MITOK)とATP結合サブユニット(MITOSUR)1個ずつからなる。MITOKは、マウスの一般的な恒常性には不必要らしいが、ジアゾキシドによる薬理学的前処置が誘発する心臓保護作用には必要で、mitoKATPがこのような病的状況でジアゾキシドの分子標的であることが実証された。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度