Research press release

【科学データ】野生のチンパンジーの性格特性は安定していることが分かった

Scientific Data

Wild chimps show stable personality traits

ジェーン・グドールが有名にしたゴンベ国立公園(タンザニア)のチンパンジーを対象として約40年を隔てて実施された2回の性格評定によってチンパンジーの性格が安定していることを示す徴候が見つかった。この研究では、最近収集された性格特性データと前回の1970年代の調査において記録されたデータの比較が行われた。これによりチンパンジーとその他の霊長類(ヒトを含む)における性格の進化について解明が進むことが期待されている。こうした研究成果を報告するAlexander Weissたちのグループの論文が、今週掲載される。

霊長類における性格の変動とその進化上の重要性に関する我々の理解は不足している。その原因は、野生環境での研究が数種の霊長類についてしか行われていないことにある。かつてジェーン・グドールは、ゴンベ国立公園のケナガチンパンジー(Pan troglodytes schweinfurthii)の性格を生き生きと描写した書物を発表して、世界の人々の注目を集めた。しかし、ケナガチンパンジーの性格特性を系統的に定量化する試みは1973年に一度行われただけだった。その研究では、研究者が性格に関する質問票を用いて24頭のチンパンジーの性格を評定した。これらの研究者とチンパンジーは、数か月から数年の「付き合い」があった。

このWeissたちの論文には、ゴンベ国立公園に生息する野生のケナガチンパンジー128頭の性格が記述された評定データが示されている。この性格評定を行ったタンザニアのフィールドアシスタントは、これらのチンパンジーの追跡調査を何年も続けており、広く認められたチンパンジーの性格に関する質問票から選んだ24の測定項目(例えば、興奮性、繊細、援助性、詮索好き)を用いて詳細な行動観察データを収集した。今回の性格評定と約40年前の研究における性格測定項目の評価が相関しており、このことは、ケナガチンパンジーが安定した性格特性を持っていることを示しているとWeissたちは考えている。(つまり、性格特性は、時がたつと何らかの変化が生じるものの比較的安定した状態で推移するということだ。これは、背の高い子どもが背の伸びる時期と伸びが停滞する時期を経て、最終的には背の高い大人になる傾向があることに似ている。)

Ratings taken nearly 40 years apart of the chimpanzees of the Gombe National Park in Tanzania, made famous by Jane Goodall, show evidence of personality stability, reports a paper published online in Scientific Data this week. The study compares recent personality trait data to previous data recorded in the 1970s and, it is hoped, will lead to better understanding of the evolution of personality in chimpanzees and other primates, including humans.

Our understanding of personality variation and its evolutionary significance among primates is limited, because only a small number of species have been studied in the wild. Jane Goodall’s vivid depictions of the personalities of the eastern chimpanzees (Pan troglodytes schweinfurthii) at Gombe National Park drew the attention of a global audience, yet only one attempt has been made to systematically quantify their personality traits. This 1973 study involved researchers rating 24 chimpanzees, who had known the researchers for several months to several years, on a personality questionnaire.

Here, Alexander Weiss and colleagues present ratings data that describes the personalities of 128 wild eastern chimpanzees from the same National Park. The personalities of the chimpanzees were rated by Tanzanian field assistants who followed individual chimpanzees for years and collected detailed behavioural observations using 24 different measures (such as excitable, sensitive, helpful, curious) from a well-recognised chimpanzee personality questionnaire. The authors suggest that the correlations between ratings from their study and the personality measures assessed nearly 40 years earlier indicate the existence of stable personality traits in the animals (where there is some change in personality traits over time, but that the traits remain relatively stable, in a similar way that tall children grow over time, but they tend to grow into tall adults).

doi: 10.1038/sdata.2017.146

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