Review Article

グラム陰性細菌感染症に対する抗菌薬の創薬につながっていない標的分子

Nature Reviews Drug Discovery 22, 12 doi: 10.1038/s41573-023-00791-6

ゲノミクス、システム生物学、タンパク質構造決定、人工知能などの分野における数々の進歩は、標的に基づいた抗菌薬創薬の新たな機会をもたらしている。最初に決定されるのは、直接作用型抗菌化合物にとって「適切な」新規標的を選択することであり、そのための複数の判定基準が、創薬プログラムの進展に応じて探求され、統合され、再評価されなければならない。判定基準としては、細菌の生存にとって必須の標的であること、同一種の異なる菌株間で保存されている標的であること、(抗菌薬となり得る物質の作用スペクトルを決定する)細菌種と増殖条件、(選択的阻害の可能性に影響する)ヒト遺伝子との相同性のレベルなどがある。さらに、細菌内の標的は薬物様分子に結合できなければならないし、細胞内の標的の位置によって、必要とされる阻害剤が細菌の1枚の膜を貫通すればよいのか、2枚の膜を貫通する必要があるのかが決まり、これがグラム陰性細菌を標的とする場合の重要な課題になっている。また、標的ベースの創薬で単一の分子を標的とする場合には、薬剤耐性が出現するリスクも考慮する必要がある。本総説では、グラム陰性細菌に対する抗菌薬の開発が有望視されているが、まだ実現に至っていない標的分子を記述し、同種阻害剤の複数例を示し、過去の創薬プログラムから得た教訓を取り上げる。

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