Review Article

小分子によるRNA構造の標的化

Nature Reviews Drug Discovery 21, 10 doi: 10.1038/s41573-022-00521-4

RNAは、ヒトの生体内におけるさまざまな機能的役割や、疾患における機能障害をもたらす、さまざまな3D構造をとっている。小分子を使ってRNA構造を治療標的とする手法が積極的に追求されており、この手法は、進化的に保存されたRNA構造を予測する計算ツールの開発や、作用機序を拡張して細胞内機構との相互作用を容易にする戦略など、この分野の重要な進歩によって支援されている。RNAを標的とする既存の小分子は、細胞のタンパク質との分子接着剤として作用することによるスプライシングの誘導(ブラナプラムやFDAが承認したリスジプラムなど)、アンドラッガブルなタンパク質の翻訳の阻害、非コードRNAの機能的な構造の不活化など、さまざまな機構を使っている。本総説では、機能的トランスクリプトームを標的とする小分子を特定して検証し、最適化する戦略について述べ、これによってこうした薬剤を次の10年に向けて進展させるロードマップを提示する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度