Review Article

炎症のチャネル形成:生理および疾患におけるガスダーミン

Nature Reviews Drug Discovery 20, 5 doi: 10.1038/s41573-021-00154-z

ガスダーミンは最近、ピロトーシス(侵襲的な感染や危険信号を細胞質ゾルで感知することで誘発される炎症性細胞死)のメディエーターとして突き止められた。ガスダーミンが活性化されると、細胞膜に小孔が形成され、その小孔が炎症性サイトカインおよびアラーミンを放出して、細胞膜の完全性が損なわれる。自己免疫疾患や炎症性疾患、感染症、難聴、がんにおけるガスダーミンの役割が明らかになってきており、有望な新しい治療法の可能性が見えてきた。本総説では、正常な生理機能と疾患におけるガスダーミンの作用機序と役割に焦点を合わせて、ガスダーミンファミリーに関する現在の知見を概説する。さらに、炎症を軽減したり、もっと強力な免疫応答を活性化したりすることを目的とした、ガスダーミンの活性を調節する薬剤の開発するための取り組みについても紹介する。

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