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標的治療薬としてのアプタマー:現在の可能性および課題

Nature Reviews Drug Discovery 16, 3 doi: 10.1038/nrd.2016.199

核酸アプタマーは、「化学抗体」と呼ばれることも多く、機能的には伝統的な抗体と似ているが、物理的に比較的小さいサイズ、柔軟な構造、迅速な化学生産、融通のきく化学修飾、高い安定性、免疫原性を欠くことなど、いくつかの利点がある。その上、多くのアプタマーは、細胞の受容体に結合すると細胞内に取り込まれるため、低分子干渉RNA(siRNA)、マイクロRNAおよび従来の医薬品を標的部位に送り込む際に有用な手段となる。しかし、アプタマーに固有の物理化学的特性および安全性データの欠如などいくつかの重要な要因によって、治療用アプタマーが臨床へとつながるのが遅れている。本総説では、こうした課題について、最近の臨床開発や、この有望な治療法の推進に新たなはずみをつけた技術の進歩を交えながら述べる。

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