Review Article

Gタンパク質共役受容体に対する治療用抗体にとっての可能性

Nature Reviews Drug Discovery 16, 11 doi: 10.1038/nrd.2017.91

Gタンパク質共役受容体(GPCR)はリガンドによって活性化されるが、その種類は、大きなタンパク質とプロテアーゼから小さなペプチド、代謝産物、神経伝達物質、イオンまで多岐にわたる。GPCRは、体内の全ての細胞に発現し、生理とホメオスタシスで重要な役割を担っている。そのため、GPCRは治療薬創製の最も重要な標的群の1つになっている。GPCRを標的とする薬剤の開発は、神経疾患と代謝疾患に加え、がん、免疫疾患、炎症性疾患など、さまざまな種類の疾患に対して治療的価値を有している。本総説では、GPCRを標的とする抗体ベースの治療薬の開発の進捗状況だけでなく、克服すべき技術的課題も挙げて論じる。その例証としての臨床開発の事例研究では、C–Cケモカイン受容体4型(CCR4)、CCR5、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を取り上げる。

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