Review Article

50年にわたる抗不安薬の創薬における障害および期待

Nature Reviews Drug Discovery 12, 9 doi: 10.1038/nrd4075

不安障害は最も一般的な精神疾患群であり、個人的な面でも社会的な面でも損失が大きい。既存薬物の有効性および副作用についての改善の必要性が高まっており、これらの疾患に対する新規薬物療法が探索されている。膨大な量のデータが抗不安薬の創薬研究によって生み出されており、数多くの新しい分子が臨床試験まで進んできた。しかし、こうした努力にもかかわらず臨床での結果は期待外れに終わってきた。齧歯類を用いた研究で新規薬物の有望な結果が得られても、ヒトにおける有効性に結びつくことはほとんどなかったのである。本稿では、典型的な不安に関わるGABA(γ-アミノ酪酸)−ベンゾジアゼピン系を標的とする薬物を超える新薬探索の目的で行われた、過去50年にわたる前臨床研究における主要な傾向を綿密に分析した。こうした研究のほとんどはセロトニン系、ニューロペプチド系、グルタミン酸系および内在性カンナビノイド系に集中している。我々はこの分野で進展の妨げとなる可能性のあるさまざまな重要課題を明確にし、いかにすれば抗不安薬の創薬を将来的にさらに有効に行えるかについて提言する。

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