Review Article

免疫調節機能を持つ細胞表面シグナル伝達分子の標的化の進展

Nature Reviews Drug Discovery 12, 2 doi: 10.1038/nrd3877

この10年間、移植の拒絶反応の予防だけでなく、がん、ウイルス感染、自己免疫および炎症など、広範囲に及ぶヒト疾患に対抗するための免疫調節的手法の開発分野は、めざましい進歩を経験してきた。免疫調節的手法のほとんどは、免疫応答を望ましい方向に向かって進ませるために、免疫細胞表面にあるシグナル伝達分子を標的とするモノクローナル抗体または組み換え融合タンパク質を利用している。ヒトの免疫系についての我々の知識が向上し、治療効果のある第一世代の生物学的製剤から学んだ数々の貴重な教訓も踏まえ、さらに優れた治療効果を持ち、有害事象を最小限にとどめ、臨床的恩恵が長時間持続する次世代の免疫調節生物学的製剤の設計を促進している。ヒトのさまざまな進行したがんの治療用に、プログラム細胞死タンパク質1(programmed cell death protein 1, PD1)およびB7相同タンパク質1(B7 homolog 1, B7H1; 別名PDL1)を標的とする抗体から最近得られた有望な結果は、免疫調節療法の時代の到来を告げている。

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