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代謝をがん治療の標的に

Nature Reviews Drug Discovery 12, 11 doi: 10.1038/nrd4145

悪性細胞は、正常細胞と比較して、遺伝的あるいはエピジェネティックな変化により、代謝変化をきたしている。このような代謝変化は、がんの新しい特徴として最近指摘されるようになってきたが、これまでに得られた証拠から、それぞれの腫瘍の代謝変化は、悪性形質転換のさまざまな側面と密接に関連しており、さまざまな悪性形質転換を可能とする分子の指標となることが示唆されている。この10年で、がんの代謝を標的とすることが、選択的な抗腫瘍薬開発の有効な戦略であることがはっきりとしてきた。代謝と悪性度の関連という側面は、腫瘍生物学おける中心を成していて、がんのアキレス腱となっている可能性があり、これを考慮した戦略に焦点を当て、代謝と悪性度の密接な関連性について詳しく述べる。

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