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プロテインキナーゼCは、治療標的とすることができないのだろうか?

Nature Reviews Drug Discovery 11, 12 doi: 10.1038/nrd3871

プロテインキナーゼC(PKC)は、1982年に発がんプロモーターであるホルボールエステルの受容体として初めて同定されて以来、創薬の期待を抱かせる標的であり続けている。初期の治療薬開発の試みは、がんに集中していたが、従来知られているPKCと新規のPKCを含む8種類のPKCアイソザイムが健康状態や疾患において果たす役割の研究が進展し、知識が向上するにつれ、さらに別の適応症、すなわち糖尿病合併症、心不全、心筋梗塞、疼痛および双極性障害なども標的となった。しかし、残念ながら、学術研究も製薬業界の取り組みも、PKCを特異的標的とする新規薬剤の承認という結果にはまだ至っていない。なぜ、いまだにPKCを薬剤標的とすることができないのか?この総説では、臨床的なアンメットニーズに対処するために、PKC修飾薬を開発する過程でなされた取り組み、課題および有用性についていくつか簡潔に説明する。

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