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シリコン上に直接成長させた室温リン化インジウム分布帰還レーザーアレイ

Nature Photonics 9, 12 doi: 10.1038/nphoton.2015.199

大量で費用を重視する応用のためにシリコンフォトニクスプラットフォームを十分に利用するには、ウエハー規模の製造方法を使って、高性能レーザー源を直接集積する根本的に新しい方法が必要になる。直接バンドギャップのIII‐V族半導体によって、効率の高い光生成が可能になるが、格子定数、熱膨張、結晶極性の不整合が大きいため、シリコンに直接エピタキシャル成長させることは極めて手間がかかる。我々は、限られた領域での選択領域成長法を使ってこの基本的な制限を乗り越え、リン化インジウムを用いた光励起分布帰還レーザーアレイを実証している。このレーザーアレイは、(001)シリコン上にモノリシックに成長させたもので、室温で動作し、波長分割多重方式の応用に適している。今回の新しいエピタキシャル技術は、貫通転位や逆位相境界を厚さが20 nm以下の層内に抑え、デバイスの性能に影響を与えない。標準的なトップダウンリソグラフィによるパターン形成を使って作られた面内レーザーキャビティを使うことは、歩留まりが高く均一性が高いことと合わせて、スケーラビリティを与え、シリコンフォトニック回路やシリコン電子回路との費用対効果の高い集積への直接的な経路となる。

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