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スペクトルを調節した励起誘導ラマン散乱(STE‐SRS)顕微鏡法によるきわめて特異的な非標識分子イメージング

Nature Photonics 5, 2 doi: 10.1038/nphoton.2010.294

化学コントラストとビデオ速度に達する高い画像取得速度を有する非標識顕微鏡法が、誘導ラマン散乱(SRS)顕微鏡法を用いて最近可能になってきた。SRSイメージングは高い感度が得られるが、もともとが狭帯域で行われるためスペクトル特異性が限られ、ラマンバンドが重なる化学種の識別は難しい。本論文では、妨害化学種の存在下において特定の化学種を、振動スペクトルを調節して多重励起することによりマッピングできるきわめて特異的なイメージング法を提示する。この方法は、高周波(>1MHz)で広帯域ポンプビームをスペクトル変調して実行され、狭帯域のストークスビームのSRSシグナルを高感度で検出できる。我々はこの方式を用いて、脂質の存在下におけるコレステロールの定量化と、生きたCaenorhabditis elegans中のタンパク質、ステアリン酸、オレイン酸の実時間三次元スペクトルイメージングを実証している。

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