Letter

実験的自由空間量子テレポーテーション

Nature Photonics 4, 6 doi: 10.1038/nphoton.2010.87

<p>量子テレポーテーションは、量子通信の実用化の中核をなす。1997年にインスブルックとローマの研究グループによって、初の原理実証が報告されているが、長距離テレポーテーションは、これまでのところ、長さ数百メートルのファイバーでしか実現されていない。自由空間光リンクは、特定波長域での大気吸収が低いため、伝送距離の延長に非常に望ましい。完全ベル状態測定を可能にするローマ方式に従って、16 kmにわたる量子テレポーテーションを自由空間で実現したことを、我々は報告する。アクティブ・フィードフォワード技術が開発され、実時間情報伝送が可能になった。89&percnt;の平均忠実度が達成されており、これは古典的限界である2&sol;3を大きく上回る。我々の実験は、当初のテレポーテーション方式の非局所的側面をすべて実現しており、局所ユニタリー演算次第でそれと同等になる。我々の結果は、宇宙ベースの実験の実現可能性を裏付けるものであり、地球規模の量子通信応用に向けての重要な一歩である。</p>

目次へ戻る

プライバシーマーク制度