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銅酸化物超伝導体の固有ジョセフソン接合テラヘルツエミッターの広帯域周波数変調

Nature Photonics 18, 3 doi: 10.1038/s41566-023-01348-0

テラヘルツ(約1012 Hz)電磁波を用いた通信は、第六世代ワイヤレスネットワークインフラの開発に不可欠である。テラヘルツ光源の安定放射と周波数変調が相容れないことから、搬送波への伝送信号の重畳が阻まれている。銅酸化物超伝導体に含まれるジョセフソン接合は、バイアス電圧に比例する周波数でテラヘルツ波を放射する。したがって、バイアス電圧の変調は、ジョセフソンプラズマ発振(JPE)周波数の変調につながる。本研究は、ジョセフソン接合からの周波数変調(FM)テラヘルツ連続波の生成を実証することを目的としている。JPEによって放射された840~890 GHzの搬送波に3 GHzの正弦波を重畳したところ、最大で40 GHzのFM帯域幅が達成された。この結果は、瞬時JPE周波数がギガヘルツ変調バイアス電圧に追随することを立証している。モノリシックデバイスによる広帯域FMテラヘルツ生成は、ベンチ上で非常に高度な光学系を用いて構築されたモードロック周波数コムとは著しい対照を示す。さらなる変調振幅の増大によって1オクターブを超える周波数のアップコンバージョンやダウンコンバージョンが容易になる。得られたFM帯域幅は、振幅変調波と比べて復調信号対雑音比の2桁向上を示した。今回実証したFM JPEは、超伝導を用いたテラヘルツ通信技術や計測に関するさらなる研究を促すものである。

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