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有機フォトダイオードにおけるミッドギャップトラップ状態を介した暗電流

Nature Photonics 17, 4 doi: 10.1038/s41566-023-01173-5

フォトダイオードは、工業用電子機器や家庭用電子機器によく用いられている。絶えず現れる新しいフォトダイオード応用では、従来の無機系半導体デバイスがもたらす特性とは異なる機械的特性やオプトエレクトロニクス特性が要求されている。これによって、有機半導体の使用への関心が大きく高まっている。有機半導体は、さまざまな利用可能なオプトエレクトロニクス特性をもたらし、フレキシブルなフォームファクター形状に組み込むことができ、豊富に存在する材料からの安価かつ低い内包エネルギーでの製造が期待されている。フォトダイオードの感度は、暗電流に大きく依存する。しかし、有機フォトダイオード(OPD)は、熱的に励起された放射遷移について予想されるよりずっと暗電流が大きいことが特徴である。今回我々は、OPDにおける飽和暗電流がミッドギャップトラップ状態によって基本的に制限されることを示す。この新しい知見は、一連の多くのOPDの飽和暗電流について観測された普遍的傾向から得られ、高感度の外部量子効率測定や温度依存電流測定によってさらに裏付けられている。この知見に基づいて、比検出能の上限が定められている。あらゆる検出器における雑音の起源の詳細な理解が、性能限界を定める基礎となるため、材料やデバイスの選定、全ての応用向けの設計や最適化に不可欠である。今回の研究によって、OPD向けのこうした重要な指針が確立されている。

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