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クラスター状態にある識別不可能な光子の決定論的生成

Nature Photonics 17, 4 doi: 10.1038/s41566-022-01152-2

粒子間のエンタングルメントは、量子科学の基本概念である。エンタングルした粒子を制御可能な方法で生成する能力は、どのような量子技術にも不可欠である。光粒子(光子)間のエンタングルメントは、光は非相互作用性でコヒーレンスが長く維持されるので、量子通信には特に不可欠である。クラスター光子の固有の冗長性によって反復局所測定が可能になり、損失と確率論的ベル測定が補償されるため、エンタングルした多光子クラスター状態を生成するリソースによって、遠隔量子ノード間の通信が可能になる。実現可能な応用には、クラスター生成は高速かつ決定論的でなければならず、最も重要なのは光子が識別不可能でなければならない。これによって、光子の干渉によるクラスターの測定と融合が可能になる。今回我々は、半導体量子ドットに閉じ込められたスピンの周期的励起を用いることによって、決定論的ギガヘルツ生成速度で連続的に生成された一連の光子と、約10光子の最適化エンタングルメント長さを特徴とする識別不可能な複数個の光子のクラスターを実証する。光子の識別不可能性は、融合によってクラスターの次元性をスケールアップし、ひいては測定ベースのフォトニック量子コンピューターやオールフォトニック量子リピーターに適したグラフ状態を作る新しい可能性を開く。

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