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近紫外から近赤外までの広帯域・狭線幅のチップサイズレーザー

Nature Photonics 17, 2 doi: 10.1038/s41566-022-01120-w

量子光学、光時計、原子・分子物理学などの分野では、可視光域の広帯域・狭帯域のレーザーが必要とされている。現在、これらのレーザーはベンチトップ型であり、研究室以外で使用することはできない。今回我々は、近紫外から近赤外までの波長可変・狭線幅レーザーを実現するチップスケールの可視光レーザープラットフォームを実証する。我々は、マイクロメートルスケールの窒化ケイ素共振器と市販のファブリペロー型レーザーダイオードを用いて、12.5 nmまでの粗調整と33.9 GHzまでのモードホップなしの微調整を、数キロヘルツまでの固有の線幅で達成した。さらに我々は、最大267 GHz µs−1の微調整速度、最大10 mWのファイバー結合出力、35 dB以上のサイドモード抑圧比を実現した。このようなチップスケールレーザーの仕様はこれまで、最先端の大型ベンチトップ型レーザーシステムでしか実現されておらず、このため、次世代の可視光通信技術に向けた強力なツールとして際立つものである。

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