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自由空間フェムト秒増強共振器における時間ソリトン

Nature Photonics 13, 3 doi: 10.1038/s41566-018-0341-y

非線形光共振器における散逸性時間ソリトンは、自己圧縮された自己安定的な無限循環波束である。こうした特性があるため、散逸性時間ソリトンは、モード同期レーザー、受動ファイバー共振器、微小共振器などの能動型や受動型のレーザー構成において、超短パルスや周波数コムの生成に利用されてきた。今回我々は、カー非線形性とスペクトル調整されたフィネスを示す自由空間増強共振器における散逸性時間ソリトンの形成を実証している。我々は、この共振器ソリトン状態に、パルス幅350 fs、波長1,035 nm、繰り返し率100 MHzのパルス列を同期させることによって、ピークパワー増強度3,200のsech2形状の37 fsパルスを生成した。このパルスは低周波数強度雑音の抑制を示した。今回の光ソリトンプラットフォームは、自由空間共振器に特有のパワー・スケーラビリティー、ピークパワー増強と時間的圧縮というかつてない組み合わせ、共振器ソリトンに固有の雑音フィルタリングを示すため、時空間的フィルタリング、超短パルスの圧縮、共振器増強非線形周波数変換などに応用される可能性が非常に高いことが明らかである。

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