Research Highlights

ナノ粒子:あちこちに運ぶ

Nature Nanotechnology 2016, 1216 doi: 10.1038/nnano.2016.272

封入、認識、輸送などの生物学的過程は複雑である。単純でスマートな機能性材料を、こうした過程の効率性と特異性を持つものにするために、多くの方法が用いられてきた。今回、マサチューセッツ大学(米国)のT Emrickたちは、細胞が破片を飲み込み体の損傷を修復する方法に着想を得て、ヒドロキシアパタイトナノ粒子を認識し、表面から拾い上げ、落とすことができるポリマー系液滴を作っている。

ヒドロキシアパタイトは、骨の主成分で、カルシウムに富んでいる。Emrickたちは、カテコールでホスホリルコリン–ポリオレフィンを官能基化し、次にこのポリマーの水溶液を有機溶媒に振り混ぜて、ヒドロキシアパタイトと結合する液滴を作った。このポリマーで安定化された水中油型エマルジョン液滴を、フローセルを通してヒドロキシアパタイトでコーティングした基板上に層流状態で流すと、ヒドロキシアパタイトナノ粒子を捕捉することができた。塩基性条件下やカルシウムを含む溶液中では、捕捉効率が低かった。さらに、基板組成も捕捉に影響を及ぼし、PDMSや雲母(マイカ)の方がプラスチックフィルムよりも効率が高かった。 Emrickたちは、この基板に依存する捕捉効率を利用して、シリコン基板から捕捉したナノ粒子を、下流のポリドーパミンでコーティングしたシリコン基板上に落とすことができることを示した。こうした表面から表面へのナノ粒子輸送は、ナノ粒子の特性を材料間で移すのに役立つ。

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