Editorial

思春期のメンタルヘルスの世界的格差を是正

Nature Medicine 30, 2 doi: 10.1038/s41591-024-02846-6

子どもや青少年の精神疾患に対する効果的で持続可能な介入策には、社会的、文化的、経済的な課題を十分に認識した上での科学的根拠に基づく研究が必要である。低・中所得国では、青年期に有害な状況にさらされることも多く、不利な経験やトラウマに対して脆弱になりかねない。若者への心理学的介入に関する研究は、データのほとんどが高所得国で得られたものだが、青少年の90%が低・中所得国に住んでいる実情から、そうしたデータでは不十分なのは明らかだ。低・中所得国では、青少年の心理社会的福祉と発達を優先課題としてはおらず、投資も不十分で見当違いなことが多い。メンタルヘルス上の問題を抱える若者やその家族への偏見や差別も治療の障壁となっている。しかしデジタルプラットフォームを通じたサービスや介入ならば、従来の方法では手が届かなかった子どもや青少年にも治療が届けられる可能性がある。今、低・中所得国の若者のメンタルヘルスをケアし、保護することができなければ、世代全体が危険にさらされ、長期的には深刻な社会的・経済的影響がもたらされ得るのだ。

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