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多遺伝子リスクスコア:米国の多様な集団における臨床実施のための10の慢性疾患の多遺伝子リスクスコアの選択・最適化・検証

Nature Medicine 30, 2 doi: 10.1038/s41591-024-02796-z

多遺伝子リスクスコア(PRS)の予測性能は向上しているが、PRSを臨床に導入できるようになるまでには、多様な集団でのPRS予測性能の低下や、遺伝学的検査結果の解釈と医療提供者および患者への伝達など、いくつかの対処すべき課題が残されている。これらの課題に取り組むために、米国国立ヒトゲノム研究所が資金提供するeMERGE(Electronic Medical Records and Genomics)ネットワークは、臨床試験の一部として、PRSに基づくゲノム情報によるリスク評価を多様な集団に属する2万5000人の成人と小児に還元するための枠組みとパイプラインを開発した。最初のリストに挙げられた23疾患から、PRSの性能、医療での使用可能性、潜在的な臨床的有用性に基づいて10疾患が臨床実施に選択された。これらには心代謝性疾患やがんなどが含まれている。この選択過程では標準化された指標が考慮され、さらに、アフリカ系集団とヒスパニック系集団におけるエビデンスの強さも考慮に加えられた。次に、PRSの臨床実施のためのパイプラインを開発した(PRSスコアを臨床検査室に渡し、スコアの性能を検証および実証する)。また、遺伝的な祖先系に基づいてPRSの平均と分散を較正し、さらに、All of Us研究プログラムコホートの参加者1万3475人の遺伝的に多様なデータを利用して、モデルパラメーターの訓練および検証を行った。最後に我々は、規制遵守のための枠組みを作成するとともに、医療提供者に還元したり、ゲノム情報に基づいた追加のリスク評価に含めたりするためのPRS臨床レポートを開発した。こうしたeMERGEに関する初の知見から、PRSベースの検査をさまざまな臨床現場で実施する上で必要となる方法についての情報が得られた。

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