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がんワクチン:膵臓がんおよび大腸がんに対するリンパ節を標的としたmKRAS特異的両親媒性ワクチン ― 第1相AMPLIFY-201試験

Nature Medicine 30, 2 doi: 10.1038/s41591-023-02760-3

膵臓がんおよび大腸がんは、KRAS変異が見られることが多く、根治を目的とした治療後に、腫瘍のDNAあるいはタンパク質が残存または再発した場合には治療不能となる。がんワクチンELI-002 2Pは、両親媒性(Amph)の修飾を施したG12DおよびG12R変異型KRAS(mKRAS)ペプチド(Amph-Peptides-2P)と、CpGオリゴヌクレオチドのアジュバント(Amph-CpG-7909)を含んでおり、これによりリンパ節送達と免疫応答が高められている。我々は、第1相試験において、局所領域治療を受けた後にmKRASの微小残存病変(ctDNAおよび/または血清腫瘍抗原)が陽性であった25人の患者(膵臓がん20人と大腸がん5人)に対して、Amph-Peptides-2Pを用量固定で、Amph-CpG-7909を用量漸増で投与した。患者の試験登録は完了しており、追跡調査が進行中である。主要評価項目には、安全性と第2相推奨用量(RP2D)が含まれた。副次評価項目は腫瘍バイオマーカー反応(長期的なctDNAまたは腫瘍抗原)であり、探索的評価項目として免疫原性および無再発生存期間(RFS)が含まれた。用量制限毒性は認められず、RP2DはAmph-CpG-7909が10.0 mgであった。ex vivoでの直接のmKRAS特異的T細胞応答が患者25人中21人で観察された(84%、59%がCD4+とCD8+の両方のT細胞応答)。腫瘍バイオマーカー反応は患者25人中21人(84%)で観察された。バイオマーカークリアランスは患者25人中6人(24%、膵臓がん3人と大腸がん3人)で観察された。また、RFSの中央値は16.33カ月であった。T細胞応答は、ベースライン時からの増強の中央値(12.75倍)を超えるか、中央値未満であるかによって分けると、有効性とT細胞応答の相関が認められた。すなわち、T細胞応答のレベルが中央値を超えた患者群は、中央値未満の患者群と比べると、腫瘍バイオマーカー減少の中央値は、−76.0%対−10.2%(P  < 0.0014)であり、RFSの中央値は、未達対4.01カ月であった(ハザード比= 0.14、P  = 0.0167)。ELI-002 2Pは、免疫療法抵抗性のKRAS変異型腫瘍を有する患者において安全で、かなり大きなT細胞応答を誘導した。ClinicalTrials.gov登録番号:NCT04853017。

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