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CLDN18.2陽性の胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんを対象としたゾルベツキシマブとCAPOXの併用 ― 無作為化第3相GLOW試験

Nature Medicine 29, 8 doi: 10.1038/s41591-023-02465-7

ヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)陰性で切除不能な局所進行性または転移性の胃または食道胃接合部(G/GEJ)腺がん患者に対する一次治療の選択肢は、早急に確立される必要がある。クローディン18のアイソフォーム2(CLDN18.2)は正常な胃細胞で発現しており、悪性のG/GEJ腺がん細胞でもその発現は維持されている。今回の、国際共同、二重盲検、第3相試験であるGLOW(登録終了済)試験では、CLDN18.2陽性でHER2陰性の、切除不能な局所進行性もしくは転移性のG/GEJ腺がんの一次治療として、CLDN18.2を標的とするモノクローナル抗体であるゾルベツキシマブと、カペシタビンおよびオキサリプラチン(CAPOX療法)との併用について検証を行った。患者(n = 507)は、ゾルベツキシマブおよびCAPOX療法のブロック、あるいはプラセボおよびCAPOX療法のブロックに1:1で無作為(ブロックのサイズは2)に割り付けられた。GLOW試験の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(中央値がゾルベツキシマブ群では8.21カ月、プラセボ群では6.80カ月、ハザード比〔HR〕= 0.687、95%信頼区間〔CI〕は0.544~0.866、P = 0.0007)と、主要副次評価項目である全生存期間(中央値がゾルベツキシマブ群では14.39カ月、プラセボ群では12.16カ月、HR = 0.771、95%CIは0.615~0.965、P = 0.0118)は、共に達成された。治療下で発現した有害事象でグレード3以上のものは、ゾルベツキシマブ群(72.8%)とプラセボ群(69.9%)で同程度であった。ゾルベツキシマブとCAPOXの併用療法は、CLDN18.2陽性、HER2陰性、切除不能な局所進行性または転移性のG/GEJ腺がん患者に対する新たな一次療法となる可能性がある。ClinicalTrials.gov登録番号:NCT03653507。

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