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気候変動:気候変動と健康 ― 3つの重要課題

Nature Medicine 29, 7 doi: 10.1038/s41591-023-02438-w

気候変動は、21世紀最大の健康上の脅威と考えられ、健康に及ぼす環境的因子と社会的因子に作用することにより、生命に直接的にも間接的にも影響を与え得る。経済の脱炭素化とレジリエンス構築のための迅速な行動は、健康、人権、環境的見地、および経済的見地から理にかなっている。健康への必要な対応は多岐にわたるが、その大部分は以下の3つの壮大な課題に集約される。(i)二酸化炭素排出量削減と健康改善の両方の活動を促進、(ii)気候変動により強く、より優れた低炭素型の医療システムを構築、(iii)健康に対するさまざまな気候リスクから防御するための公衆衛生対策を実施、である。医療コミュニティーは、その信頼性の高い影響力を気候変動に関するリーダーシップと支援活動に活かし、活動のための証拠を提供し、気候のレジリエンスとヘルスケアシステムの脱炭素化に責任を負い、健康や炭素排出量、気候レジリエンスに大きな影響を及ぼすセクターの活動を導いていく役割を果たすことが使命となるだろう。

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