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非小細胞肺がん:非小細胞肺がんにおけるバイオマーカー選択によるペムブロリズマブをベースとした併用療法 ─ 第2相KEYNOTE-495/KeyImPaCT試験の中間結果

Nature Medicine 29, 7 doi: 10.1038/s41591-023-02385-6

ペムブロリズマブは非小細胞肺がん(NSCLC)で臨床効果を示すが、腫瘍微小環境が不均一であるために、治療に応答するのは一部の患者だけである。KEYNOTE-495/KeyImPaCTは、バイオマーカー選択による現在進行中の適応的無作為化第2相試験であり、進行性NSCLCにおいて、第一選択薬のペムブロリズマブ(3週間ごとに200 mg)をベースとして、レンバチニブ(毎日20 mg)、抗CTLA-4クアボンリマブ(6週間ごとに25 mg)または抗LAG-3ファベゼリマブ(3週間ごとに200 mgまたは800 mg)を併用した場合の検討を行っている。患者は、T細胞の炎症性遺伝子発現プロファイル(T-cell-inflamed gene expression profile:TcellinfGEP)と、腫瘍変異量(TMB)のレベルによって分類され、ペムブロリズマブ+レンバチニブ群、ペムブロリズマブ+クアボンリマブ群、あるいはペムブロリズマブ+ファベゼリマブ群に1:1:1に無作為に割り付けられた。主要評価項目は、各バイオマーカーで定義されたサブグループごとに事前指定された有効性閾値を用いて、RECIST(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)1.1に基づいて調査者が評価した客観的奏効率(ORR)とした(> 5%〔TcellinfGEPlowTMBnon-high[グループI]〕、> 20%〔TcellinfGEPlowTMBhigh[グループII]およびTcellinfGEPnon-lowTMBnon-high[グループIII]〕、> 45%〔TcellinfGEPnon-lowTMBhigh[グループIV]〕)。副次評価項目は、無増悪生存期間、全生存期間、安全性とした。データカットオフ時のORRの範囲は、グループIでは0~12.0%、グループIIでは27.3~33.3%、グループIIIでは13.6〜40.9%、グループIVでは50.0〜60.0%だった。グループIIIでのペムブロリズマブ+レンバチニブ群のORRは、事前指定した有効性閾値を満たした。各治療群の安全性プロファイルは、それぞれの組み合わせの既知の安全性プロファイルと一致していた。これらのデータは、進行性NSCLCにおける第一選択薬ペムブロリズマブをベースとした併用療法の臨床活性を研究する上で、TcellinfGEPとTMBによる前向き評価が実現可能であることを実証している。ClinicalTrials.gov登録番号:NCT03516981。

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