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頭頸部扁平上皮がん:再発・転移性頭頸部扁平上皮がんにおけるペムブロリズマブとカボザンチニブ ─ 第2相試験

Nature Medicine 29, 4 doi: 10.1038/s41591-023-02275-x

抗PD-1(programmed cell death protein 1)療法は、再発・転移性頭頸部扁平上皮がん(RMHNSCC)の標準治療となっている。チロシンキナーゼ阻害剤などの血管内皮増殖因子阻害剤には免疫調節特性があり、抗PD-1薬との併用時に有望な結果を示してきた。我々は、ペムブロリズマブとカボザンチニブの多施設単群第2相試験を、RECIST(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)1.1の評価基準で測定可能な疾患を持ち、かつ両薬剤に対して禁忌ではないRMHNSCC患者に対して行った。我々は、この併用に対する忍容性と全奏効率を主要評価項目、無増悪生存期間と全生存期間を副次評価項目とし、PDL-1/CPS(combined positive score)、CD8+ T細胞浸潤、腫瘍変異量との相関研究を行った。総数50名の患者をスクリーニングし、36名が登録され、33名は奏効評価可能であった。主要評価項目は達成され、33名中17名(52%)の患者は部分奏効、13名(39%)は安定(SD)であり、全体の臨床的有用率は91%であった。全生存期間の中央値は22.3カ月〔95%信頼区間(CI〕 = 11.7–32.9〕、1年全生存率は68.4%(95%CI = 45.1%–83.5%)だった。無増悪生存期間の中央値は14.6カ月(95%CI = 8.2–19.6)、1年無増悪生存率は54%(95%CI = 31.5%–72%)だった。グレード3以上の治療関連有害事象には、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼの増加(n = 2、5.6%)などがあった。16名(44.4%)の患者では、カボザンチニブの投与量を1日20 mgに減らした。全奏効率は、ベースラインのCD8+ T細胞浸潤と正に相関していた。腫瘍変異量と臨床転帰の間に相関は認められなかった。ペムブロリズマブとカボザンチニブはRMHNSCC患者で十分な忍容性があり、有望な臨床活性を示した。RMHNSCCでの同様の併用についての研究は今後さらに行う必要がある。本試験のClinicalTrials.gov登録番号はNCT03468218である。

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