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高グリセリド血症:リポタンパク質リパーゼ経路の変異がある、あるいはない重症高トリグリセリド血症でのエビナクマブの効果 ─ 第2相無作為化試験

Nature Medicine 29, 3 doi: 10.1038/s41591-023-02222-w

重症高トリグリセリド血症(sHTG)は、急性膵炎のリスク因子であることが立証されている。sHTGに対して現在行われている治療法は、トリグリセリドを減少させて急性膵炎を予防するには不十分であることが多い。この第2相試験(NCT03452228)では、sHTG患者の3つのコホートでエビナクマブ(angiopoietin-like 3 inhibitor)の評価を行った。コホート1はリポタンパク質リパーゼ(LPL)経路の機能喪失変異が両方の対立遺伝子にある家族性高カイロミクロン血症症候群の患者(n = 17)、コホート2はLPL経路の機能喪失型異が対立遺伝子の片方だけにある多因子性高カイロミクロン血症症候群の患者(n = 15)、コホート3はLPL経路の変異がない多因子性高カイロミクロン血症症候群の患者(n = 19)である。急性膵炎で入院した既往のある51名の患者(男性n = 27、女性n = 24)が無作為に2:1に割り付けられ、エビナクマブ15 mg kg−1あるいはプラセボを4週間ごとに12週間にわたって、二重盲検方式で静脈注射により投与され、その後、12週間の単盲検方式の投与が続いた。主要評価項目は、コホート3での12週間のエビナクマブ曝露後のベースラインからのトリグリセリドの平均減少率であった。エビナクマブは、コホート3で平均−27.1%(標準誤差 37.4)(95%信頼区間 −71.2から84.6)トリグリセリドを減少させたが、事前に設定した主要評価項目は満たされなかった。二重盲検方式の治療期間ではエビナクマブ群とプラセボ投与群の間で有害事象に顕著な差はみられなかった。トリグリセリドの減少という主要評価項目は、事前設定した有意なレベルを満たさなかったが、観察された安全性と脂質およびリポタンパク質レベルの変化は、sHTG患者によるもっと大規模な試験でエビナクマブのさらなる評価を行うことの裏付けとなる。ClinicalTrials.gov NCT03452228.

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