Brief Communication

がん治療:ステージIII尿路上皮がんでの高用量または低用量のイピリムマブとニボルマブの術前併用 ─ 第1B相NABUCCO試験

Nature Medicine 29, 3 doi: 10.1038/s41591-022-02199-y

第1B相NABUCCO試験のコホート1では、ステージIII尿路上皮がん(UC)でのイピリムマブとニボルマブの術前併用は高い病理学的完全奏功(pCR)率を示した。コホート2では、奏効を最適化するための用量の調整を目的として試験が行われた。これらの結果に加えて、本報告では有効性と忍容性を含めて、コホート2での副次的評価項目の結果と、両方のコホートで調べられた尿中および血漿中の循環腫瘍DNA(ctDNA)が術前に検出されなかったことと臨床転帰との関連について報告する。イピリムマブ3 mg kg−1とニボルマブ1 mg kg−1の併用(コホート2A)、あるいはイピリムマブ1 mg kg−1とニボルマブ3 mg kg−1の併用(コホート2B)が30人の患者で2サイクル行われ、どちらもその後にニボルマブ3 mg kg−1が投与された。コホート2Aでは6人(43%)の患者で、コホート2Bでは1人(7%)の患者でpCRが見られた。尿中ctDNAが見られないことは膀胱のpCR(ypT0Nx)と相関していたが、無増悪生存期間(PFS)との相関は見られなかった。一方、血漿ctDNAが検出されないことは、(pCRオッズ比:45.0、95%信頼区間〔CI〕:4.9–416.5)およびPFS(ハザード比:10.4、95%CI:2.9–37.5)と相関していた。我々のデータは、ステージIIIのUCではイピリムマブとニボルマブを高用量で併用する必要があり、血漿中にctDNAが存在しないことは、PFSを予測できることを示している(ClinicalTrials.gov:NCT03387761)。

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