Analysis

被験者選定:医療研究において代表的かつ公平な被験者を把握するためのツールキット

Nature Medicine 29, 12 doi: 10.1038/s41591-023-02665-1

研究への参加者が一般集団を代表していないことがよくある。特定のグループが研究から系統的に排除されると、研究結果の一般化可能性が制限され、健康格差が持続する。十分に研究が行われていないと考えられるグループには、人口推計に基づく予想よりも研究に含まれる人数が少ないグループ、健康への負担が大きいのに研究参加の機会が限られているグループ、医療による取り組みが他のグループよりも少ないグループが含まれる。このREP-EQUITYツールキットは、研究における代表的かつ公平な被験者の選定を促す。このツールキットは、方法論的なシステマティックレビューと総合を行って開発され、最終的に24人の参加者によるワークショップでの合意によりまとめられた。REP-EQUITYツールキットでは、代表的で公平な被験者の選択を促進するために、研究者が考慮すべき7つの段階について説明している。つまり、明確にすることは、(1)十分に研究が行われていないグループ、(2)公平性と代表性に関する目的、(3)十分に研究が行われていないことに関連する特徴を持つ人が被験者に占める割合、(4)研究への参加者募集の目標、(5)外部要因を管理する戦略、(6)最終的な被験者の代表性を評価する方法、(7)ツールキットを使用したことによる影響である。REP-EQUITYツールキットの使用は、社会と研究機関の信頼関係を深め、研究への多様な参加を増やし、医療研究の一般化可能性を向上させる可能性がある。National Institute for Health and Care Research PROSPERO登録番号:CRD42022355391。

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