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飲酒:100万を超える人々における問題飲酒行動の遺伝学に関する複数祖先系集団での研究

Nature Medicine 29, 12 doi: 10.1038/s41591-023-02653-5

問題飲酒行動(PAU)という形質には、アルコール使用障害に加えて、質問票で評価される飲酒関連問題が含まれており、全世界における死亡や病的状態の主要な原因となっている。本論文において我々は、PAUについての大規模な祖先系集団横断的メタ解析を107万9947人の人を対象に行った(祖先系集団としては、ヨーロッパ系 N = 90万3147、アフリカ系 N = 12万2571、ラテンアメリカ系 N = 3万8962、東アジア系 N = 1万3551、南アジア系 N = 1716)。我々は、PAUの遺伝的構造には祖先系集団横断的に観察される高度の類似性があり、祖先系集団内および祖先系集団横断的な解析において110の独立したリスクバリアントを見いだした。祖先系集団横断的なファインマッピングは、おそらく原因となる(likely causal)バリアントの同定を向上させた。脳組織における遺伝子発現やクロマチン相互作用を通じて遺伝子の優先順位付けを行うことで、PAUに関連する多数の遺伝子が同定された。我々は、コンピューターを用いた解析で薬剤リパーパシングを行い、薬理学的研究の対象となり得る既知の薬剤を同定した。また、先祖系集団横断的な多遺伝子リスクスコアは、単一祖先系集団の多遺伝子リスクスコアより、独立した試料における関連解析の性能が優れていた。PAUと他の形質との間の遺伝的な相関が複数の祖先系集団において観察され、他の物質使用の形質との相関が最も高かった。本研究は、PAUの遺伝的な病因に関する我々の理解を深め、また、これらの結果によって、神経科学、生物学、データサイエンスに加えて遺伝学の知見を臨床へ応用する可能性が近づくと考えられる。

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