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CAR T細胞療法:再発性/難治性固形腫瘍におけるCLDN6特異的CAR T細胞と増幅型RNAワクチンの併用 ─ 第1相BNT211-01試験

Nature Medicine 29, 11 doi: 10.1038/s41591-023-02612-0

がん胎児抗原クローディン6(CLDN6)は多くの固形腫瘍において特異的に強く発現しており、有望な治療標的となる可能性がある。本論文では、現在進行中の第1/2相BNT211-01試験の用量漸増段階の結果を報告する。この試験では、再発性/難治性CLDN6陽性固形腫瘍を対象に、CLDN6を標的とするキメラ抗原受容体(CAR)T細胞の単剤投与(用量レベル〔DL〕は2つ)、あるいはCAR T細胞増幅型RNAワクチン(CARVac)との併用投与を行い、安全性と実現可能性を評価した。主要評価項目は、安全性、忍容性、最大耐用量、第2相試験推奨用量(RP2D)であった。副次評価項目には、客観的奏効率(ORR)および疾患制御率が含まれている。22人の患者のうち10人(46%)がサイトカイン放出症候群を経験し(このうち1名はグレード3)、22人のうち1人(5%)にグレード1の免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群が見られたが、毒性は管理可能であることが分かった。用量制限毒性が、高用量レベルの患者2人で起こったが、後遺症なしに消失した。CAR T細胞の生着はロバストであり、CARVacの追加の忍容性は良好であった。21人の評価可能な患者での未確定ORRは33%(21人中7人)で、これには1人の完全奏効が含まれている。疾患制御率は67%(21人中14人)で、7人の患者が変化なし(SD)であった。高用量レベルで治療した胚細胞腫瘍の患者は、最も高い奏効率(ORR 57%〔7人中4人〕)を示した。本試験の修正が行われ、(CAR T細胞の)製造過程が自動化されたので、最大耐用量とRP2Dについては決定されなかった。用量漸増の再試行が現在進行中であり、これによって重要な臨床試験のためのRP2Dが決められる予定である。ClinicalTrials. gov登録番号:NCT04503278。

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