Brief Communication

リキッドバイオプシー:がんサブタイプ決定のためのリキッドバイオプシーによるエピゲノムプロファイリング

Nature Medicine 29, 11 doi: 10.1038/s41591-023-02605-z

血中循環腫瘍DNA(ctDNA)検査は、がん治療における臨床的意思決定のための情報として使用されることが増えてきているが、疾患経過に沿って、がんの表現型やその動的な変化を支配する転写プログラムを特定する能力には限界がある。これらの限界に対処するために、我々は、患者血漿1 mlから、がんの包括的なエピゲノムプロファイリングを行う方法を開発した。ヒストン修飾とDNAメチル化を標的にした、免疫沈降に基づく手法を使用して、15種類のがんのうちの1つを患っている433人の患者血漿において、1268のエピゲノムプロファイルを測定した。我々の検査は、転写活性を調べるためのロバストな代用手段となり、診断マーカーや薬剤標的の発現レベルの推定、治療の標的となり得る転写因子の活性の測定、およびエピジェネティックな耐性機構の検出を可能にした。進行がんを対象とした本概念実証研究は、血漿エピゲノムプロファイリングが、現在は直接の組織採取によってしか入手できない、臨床的にアクショナブルな情報をどのように明らかにできるかを示している。

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