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ウエアラブル技術:ウエアラブルモーションキャプチャースーツと機械学習によるフリードライヒ運動失調症の疾患進行予測

Nature Medicine 29, 1 doi: 10.1038/s41591-022-02159-6

フリードライヒ運動失調症(FA)は、FrataxinFXN)遺伝子のバリアントが原因であり、これがFXNの発現低下につながって、心機能と神経機能が徐々に損なわれる。臨床尺度の現在のゴールドスタンダードでは単純化した行動評価が用いられていて、治療効果を判断するには18〜24カ月にわたる試験が必要である。今回我々は、ウエアラブルセンサーを装着した患者からの全身運動の運動学的データの収集によって、デジタル行動特性を定義することができた。この定義は、8メートル歩行(8MW)試験と9ホールペグ試験(9HPT)を行った9人のFA患者(女性6人、男性3人)と、年齢と性別を対応させた9人の対照者のデータに基づいている。我々は機械学習を用いてこれらの特性を組み合わせ、FA患者の臨床スコアを長期的に予測し、これらのスコアを2つの標準的臨床評価であるSCAFI(Spinocerebellar Ataxia Functional Index)およびSARA(Scale for the Assessment and Rating of Ataxia)と比較した。このデジタル行動特性によって、9カ月後のSARAとSCAFIの個人スコアの長期予測が可能になり、これらはSARAスコアのみを用いた場合よりも1.7倍、SCAFIスコアのみの場合よりも4倍正確だった。これら2つの臨床尺度とは異なり、このデジタル行動特性は各FA患者に対して横断的に、FXN遺伝子の発現レベルを正確に予測した。本研究は、データ由来のウエアラブルバイオマーカーが、個人の疾患経過を追跡できる仕組みを明らかにしており、また、このようなバイオマーカーが臨床試験の期間と規模の大幅削減と、行動トランスクリプトミクスを可能にし得ることを示している。

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