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CAR T細胞療法:細胞注入後のCAR TReg細胞はCD19-CAR療法抵抗性の患者を明らかにする

Nature Medicine 28, 9 doi: 10.1038/s41591-022-01960-7

CD19を標的とするキメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法を受けた大細胞型B細胞リンパ腫患者のほぼ60%は、疾患の進行を経験し、また神経毒性という難問は依然として解決されていない。抵抗性や毒性に関連するバイオマーカーは限られている。本研究では、CD19-CARによる治療を受けた32人の患者で、循環血中CAR T細胞の単一細胞プロテオ-ムのプロファイリングを行い、注入後7日目のCD4+Helios+CAR T細胞が、進行性疾患およびそれほど重度ではない神経毒性と関連付けられることを明らかにした。詳細なプロファイリングによって、この細胞集団は非クローン性で、制御性T(TReg)細胞の大きな特徴を示すことが分かった。検証コホートの解析から、CAR TReg細胞の数が多いことと臨床的進行およびそれほど重篤ではない神経毒性との間の関連性が裏付けられた。このサブセットの拡大と、乳酸デヒドロゲナーゼレベル(腫瘍遺伝子量の代理として)を組み合わせたモデルは、それぞれの特徴だけに依存するモデルよりも、持続的な臨床的奏効の予測に優れていた。これらのデータは、CAR TReg細胞の拡大がCAR T細胞療法後の応答と毒性についての新規バイオマーカーとなることを証明しており、また、このサブセットがヒトでのCAR T細胞応答を調節している可能性を提起している。

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