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白血病:慢性リンパ性白血病でのリヒター形質転換の早期播種の探知

Nature Medicine 28, 8 doi: 10.1038/s41591-022-01927-8

リヒター形質転換(RT)は、慢性リンパ性白血病(CLL)で見られる典型的な移行の1つで、予後不良で非常に侵襲性の高い大細胞型B細胞リンパ腫へと進行する。RTを促進する機構はほとんど明らかになっていない。我々は、単一細胞DNA/RNA塩基配列解読解析と機能に関する実験を組み合わせて、RTを発症したCLLの19症例について、全ゲノム、エピゲノムおよびトランスクリプトームの詳しい性質を調べた。最長で19年におよぶ疾患経過過程をカバーする54の経時的サンプルを調べることで、RT細胞のゲノム的、免疫遺伝学的、またトランスクリプトーム的な特徴を持つ微小なサブクローンが、CLL診断時にすでに存在することが分かった。これらの細胞は形質転換を起こす前の19年間を通して休眠状態にあった。我々はまた、新規のドライバー変異を突き止め、新しい変異シグネチャー(SBS-RT)を明らかにし、RTにはOXPHOS(酸化的リン酸化)high-BCR(B細胞受容体)lowシグナル伝達の転写軸が存在することを見いだし、さらに、OXPHOS阻害がRT細胞の増殖を減弱することを示した。これらの知見によって、がん進化の進行期を推進するサブクローンが早期に播種されていることが明らかになり、RTに対する治療標的候補が示された。

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