Article

COVID-19:入院しなかった成人患者でのlong COVIDの症状とリスク因子

Nature Medicine 28, 8 doi: 10.1038/s41591-022-01909-w

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)感染は、日常機能に影響を与える持続性の多様な症状と関連付けられており、これらはCOVID-19後遺症、あるいはlong COVIDとして知られている。我々は、英国ベースのプライマリーケア・データベースであるClinical Practice Research Datalink Aurumを用いてマッチさせたコホートで後ろ向き研究を行い、入院しなかった成人患者で確定診断されたSARS-CoV-2感染に関連して見られた12週間を超える症状と、持続性の症状の発症と関連するリスク因子を決定した。我々はSARS-CoV-2感染が確定された48万6149名の成人と、傾向スコアをマッチさせた、SARS-CoV-2感染の記録された証拠がない194万4580名の成人を選び出した。転帰には、115の個別の症状に加えて、世界保健機構の臨床症例の定義によって33の症状の複合的な結果として定義されたlong COVIDが含まれた。転帰に関する補正ハザード比(aHR)を推定するためにはCox比例ハザードモデルが使われた。12週後にSARS-CoV-2感染と有意に関連していた症状は全部で62だった。最も大きなaHRは嗅覚障害(aHR 6.49;95% CI 5.02–8.39)、脱毛(3.99;3.63–4.39)、くしゃみ(2.77;1.40–5.50)、射精困難(2.63;1.61–4.28)、性欲減退(2.36;1.61–3.47)に対するものであった。SARS-CoV-2に感染した患者のコホートでは、long COVIDのリスク因子は、性別が女性であること、少数民族に属すること、社会経済的貧困、喫煙、肥満、多様な併存疾患であった。また、long COVIDの発症リスクは、年齢が低いほど高くなることも明らかにされた。SARS-CoV-2感染は、さまざまな社会人口統計学的リスク因子、また臨床的なリスク因子と結び付けられる非常に多くの症状と関連している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度