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新薬の成功のカギを握る薬剤送達

Nature Medicine 28, 6 doi: 10.1038/s41591-022-01826-y

新薬は、有効成分である原薬を設計するだけで十分ではなく、それが保護されて適切な場所に送達されるようにしなければ、効果を発揮できない。現在さまざまな薬剤送達法が開発されており、それらによって最終的に薬効が高まるだけでなく、薬の服用方法の簡略化や安全性の向上など患者の利益にもつながる。例えば、新型コロナウイルスワクチンで使われているナノ粒子はmRNAを効果的に送達するために不可欠だが、安全性の面などで課題もあり最適化を探る必要がある。ナノ粒子以外にも、痛みを伴わずに皮膚の角質層を通過して、通常では不可能な薬の送達を可能にするマイクロニードル、治療薬と結合させたナノ粒子を赤血球に付着させて体内に戻す方法、食用シアノバクテリアに薬剤を取り込ませて経口で腸に薬剤を送達する方法などもある。また、細胞を薬物送達媒体とする場合、その内部に薬剤を取り込ませなければならないが、そのための思いがけない新たな方法も開発されている。

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