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AML:急性骨髄性白血病で不均一性を理解し、薬剤応答性を予測するための細胞階層性による枠組み

Nature Medicine 28, 6 doi: 10.1038/s41591-022-01819-x

急性骨髄性白血病(AML)の治療は全体的に進展しつつあり、有望な複数の治療法が臨床で使われるようになってきたが、患者の応答は依然として不均一であり、個別化治療に対するバイオマーカーは不足している。我々は、疾患の不均一性と治療応答がどのように結び付いているのかを理解するために、白血病幹細胞タイプ、前駆細胞タイプおよび成熟細胞タイプの単一細胞参照プロファイルを用いたデコンボリューションを1,000人以上の患者に対して行い、そのバルクトランスクリプトームから構成された白血病細胞の階層構造を決定した。白血病の階層的構成は機能的、ゲノム的、臨床的な特性と関連しており、Primitive(未成熟型)、Mature(成熟型)、GMP、Intermediate(中間型)という全体を網羅する4つのクラスに収束した。重要なのは、Primitive対GMP軸は化学療法への応答と関連し、Primitive対Mature軸の階層性構成の変動は標的療法の薬剤感受性プロファイルと関連していたことである。また、Primitive対Mature軸から得られた7つの遺伝子バイオマーカーは、105の治験薬に対する応答と関連していた。このように、細胞の階層的構成は、AMLの疾患生物学的理解や精密医療への進展に対する新規の枠組みを構成している。

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