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COVID-19:児童と小児のCOVID-19で見られる多系統炎症性症候群の免疫病理学的シグネチャー

Nature Medicine 28, 5 doi: 10.1038/s41591-022-01724-3

小児新型コロナウイルス感染症2019(pCOVID-19)は重症化は稀だが、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に感染した子どもの少数が小児多系統炎症性症候群(MIS-C)を発症する場合があり、MIS-Cの死亡率はかなり高い。我々は、経時的な多施設研究でマルチオミクス(可溶性バイオマーカー解析、プロテオミクス、単一細胞遺伝子発現および免疫レパートリー解析)を適用して小児のCOVID-19患者(n=110)とMIS-C患者(n=76)、それに加えて小児の健康な対照(pHC、n = 76)のプロファイリングを行った。pCOVID-19は強力なI型インターフェロン(IFN)応答を特徴とする一方で、MIS-CではII型IFN依存性およびNF-κB依存性の顕著なシグネチャー、マトリソームの活性化および循環血中スパイクタンパク質の増加が観察され、これは入院時のSARS-CoV-2 PCRの状態との相関は見られなかった。MIS-CでのTRBV11-2 T細胞クロノタイプの一過性の増加は、炎症およびT細胞活性化のシグネチャーと関連していた。HLA A*02, B*35とC*04対立遺伝子の組み合わせとMIS-Cとの関連は遺伝的な感受性を示唆している。MIS-C B細胞はpCOVID-19やpHCの場合よりも変異量が多かった。これらの結果は、pCOVID-19とMIS-Cで見られる異なった免疫病理学的シグネチャーを明らかにしており、このことはこれら2種類の疾患の病理生理学的性質を明らかにし、治療の指針となる可能性がある。

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