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白血病:単一細胞トランスクリプトミクスによって明らかになったKMT2A遺伝子再構成陽性乳児B細胞性急性リンパ芽球性白血病の特有な発病状態

Nature Medicine 28, 4 doi: 10.1038/s41591-022-01720-7

乳児発症のKMT2A再構成陽性急性リンパ芽球性白血病(ALL)は、予後不良で侵襲性の小児白血病である。我々は、参照となる発生段階にある骨髄に対するバルクのメッセンジャーRNA(mRNA)メタ解析と単一のリンパ芽球のトランスクリプトームを用いて、KMT2A再構成陽性乳児B細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)の発生状態を調べた。KMT2A再構成陽性乳児B-ALLでは、初期リンパ球前駆体(ELP)状態が優勢であるという独自の状態が見られた一方で、悪性度がより低いNUTM1再構成陽性乳児ALLは他の大部分の小児B-ALLと一致して、より後期の発生段階にあるB細胞のシグナルを示していた。我々は乳児のリンパ芽球とELP細胞を比較して、このがんは骨髄系–リンパ系のハイブリッド的な特徴を持っていて、がん特異性を獲得するために非生理学的抗原の組み合わせなど(標的となる可能性がある)を含むことを明らかにした。また、フローサイトメトリーを用いて抗原の典型的な組み合わせが細胞表面に共発現していることを確認した。我々は、乳児期のKMT2A再構成陽性B-ALLがAMLとして再発した小児由来の、2つの別々の白血病に共通の変異の解析を行い、KMT2Aの再構成が造血系の特性を示す前の非常に早い発達段階で起こっていることを明らかにした。このことは、起源となるがん細胞は、転写状態からは推測できないことを示している。

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