Year in Review

2022年を振り返る

Nature Medicine 28, 12 doi: 10.1038/s41591-022-02133-2

Nature Medicine恒例の年末特集では最初に、それぞれの分野で注目を集めつつある11人の若手研究者に、最も興味を持っている問題と今後5年間に研究をどんな方向に進めたいと考えているかを尋ねた(p. 2441)。バイオ医薬品メーカーにとって、2022年は開発の最終段階での失敗や目覚ましいブレイクスルー、また認可の問題などが次々と起こる、浮き沈みの多い年になった。重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(COVID-19)は今年も、治験被験者の募集からサプライチェーンまで、臨床試験の基盤構造のほぼ全てを混乱や崩壊に追い込んだが、2023年にはさまざまな分野から新しい情報が得られることが期待されている(Table 1、p. 2446)。我々は11人の指導的な立場にある研究者に、子宮頸がんや前立腺がんなどのがんのスクリーニングからパーキンソン病やアルツハイマー病の新薬開発、COVID-19とHIVの新しいワクチンまで、2023年の医学の進路を定める可能性がある臨床試験を選び出して、概要を説明してもらった(p. 2444)。また今年は複数の研究分野でブレイクスルーがあり、基礎研究分野と技術分野の両方で進歩が目覚ましかった。「Notable Advances 2022」(p. 2449)では、がん治療、ウエアラブルデバイスによるデータ取得、画像化法、細胞療法、メンタルヘルスケア、COVID-19の次世代ワクチン開発などから、医学研究を前進させた重要な成果を医学関連の各ジャーナルから選び出し、要約している。

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