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食餌介入:食餌の質の改善を目的としてスーパーマーケットやウェブを用いる介入の有効性 ─ 無作為化対照試験

Nature Medicine 28, 12 doi: 10.1038/s41591-022-02077-7

最適な食餌介入が最もうまく行えるのはスーパーマーケットを使った場合かもしれない。スーパーマーケットは便利で行きやすく、食品は十分にそろっており、さらに店には管理栄養士がいて、オンラインショッピング、配達サービスが可能である。我々は、大規模な小売スーパーマーケットチェーンと協力して、多店舗スーパーマーケットとウェブを使い、栄養を標的とする介入試験(no.NCT03895580)を行った。参加者(n = 247〔女性139人、男性108人〕)は、2つのレベルの食育グループ(戦略1および戦略2)、または通常の標準治療以上の教育的要素を加えた強化対照グループに2:2:1に無作為に分配された。戦略1と2はともに、個別化され、購入データに基づく個別介入(栄養士が対面で指導する)が含まれていた。戦略2グループにはさらに、買い物や自宅への配送、より健康的な購入品の選択、食餌計画、健康的なレシピのためのオンラインツールが含まれていた。主要評価項目は、試験開始時から3カ月までのDASH(dietary approaches to stop hypertension)スコア(DASH食餌療法順守の尺度)の変化とした。主要評価項目は、戦略1と戦略2を組み合わせたグループのDASHスコアが3カ月の時点で対照グループよりも4.7増加したことにより満たされた〔95%信頼区間(CI)(0.9、8.5)、P = 0.02〕。事前指定された階層試験では、戦略2グループのDASHスコアが戦略1グループに比べると3カ月で3.8増加した〔95%CI(0.8、6.9)、P = 0.01〕。この試験は、スーパーマーケットを使って行うデータに基づいた食餌介入と現代的なオンラインショッピング手法が、食生活などに制約を加えていない地域常住集団の食餌の質の改善に有効であることを実証している。この試験はまた、大学などの研究者が小売業者と協力して包括的なヘルスケア介入を設計し厳密に検証するという機会についての説明でもある。

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