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人工知能:人工知能によって可能になった夜間呼吸信号を使ってのパーキンソン病の検出と評価

Nature Medicine 28, 10 doi: 10.1038/s41591-022-01932-x

パーキンソン病(PD)の診断やその進行を追跡するために有効なバイオマーカーは、現在のところ存在しない。今回我々は、夜間の呼吸信号からPDを検出し、その進行を追跡する人工知能(AI)モデルを開発した。このモデルの評価は、米国の複数の病院のデータに加えて、複数の公開データセットを用いて構築した7671人からなる大規模データセットにより行われた。このAIモデルはPDを検出でき、曲線下面積はホールドアウトテストセットでは0.90、外部テストセットでは0.85だった。このAIモデルはまた、MDS-UPDRS(Movement Disorder Society Unified Parkinson’s Disease Rating Scale、運動障害疾患学会パーキンソン病統一評価尺度)に準拠してPDの重症度と進行を推定することもできる(R = 0.94、P = 3.6×10−25)。このAIモデルは、睡眠と脳波に関する予測の解釈が可能なAttentionレイヤーを使用している。さらに、このモデルは、睡眠中の人体から反射される電波から呼吸を抽出することで、在宅での非接触様式によるPDの評価が可能である。我々の研究は、在宅でのPDの非侵襲的な客観的評価が実現可能であることを実証しており、また、このAIモデルが臨床診断前のリスク評価に役立つ可能性を示す最初の証拠も示している。

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