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バイタルサイン測定:ウエアラブルセンサーは臨床検査測定値の個別化予測を可能にする

Nature Medicine 27, 6 doi: 10.1038/s41591-021-01339-0

心拍数や体温などのバイタルサインは、医学的状態の検出やモニタリングに役立つが、通常これらは病院で計測され、より確実な診断のためには継続的な臨床検査が必要となる。今回我々は、一般消費者向けウエアラブルデバイスで計測されたバイタルサイン(継続的にモニタリングされた心拍、体温、皮膚電気活動、運動)が、ランダムフォレストモデルやラッソモデルなどの機械学習モデルを用いることで臨床検査結果を予測できるかどうかを調べた。その結果、ウエアラブルデバイスから収集されたバイタルサインデータからは、病院での計測値よりも一貫性のある正確な安静時心拍数が描き出されることが明らかになった。また、ウエアラブルデバイスから収集されたバイタルサインデータは、臨床検査で得られたバイタルサインの数値から作成された予測よりも低い予測誤差で複数の臨床検査結果を予測できた。バイタルサインのモニタリングが行われた時間の長さと、モニタリング期間が予測日時に近いことが、機械学習モデルの成績に重要な役割を果たしている。これらの結果は、現在は臨床検査でのみ計測できる生理学的測定値の継続的で長期的評価を行う際の、市販のウエアラブルデバイスの価値を実証するものである。

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