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βサラセミア:αグロビン遺伝子をβグロビン遺伝子で置換すると、βサラセミア由来の造血幹・前駆細胞でのヘモグロビンバランスが回復する

Nature Medicine 27, 4 doi: 10.1038/s41591-021-01284-y

βサラセミアの病状は、βグロビン(HBB)の喪失だけによるものではなく、βグロビンの結合相手であるαグロビン(HBA1/2)の赤血球毒性の蓄積と凝集にもよっている。今回我々は、βサラセミア由来の造血幹・前駆細胞(HSPC)でHBA1遺伝子全体を完全長HBB導入遺伝子と置き換えることができる、Cas9/AAV6を用いるゲノム編集戦略について報告する。この置換は、βグロビンとαグロビンのメッセンジャーRNA比とタンパク質比を正常化し、患者由来の赤血球細胞で機能を備えた成体ヘモグロビン四量体を回復させるのに十分だった。編集されたHSPCは、マウスで長期的な二系統の造血系再構築を行うことができ、この結果によってβサラセミアの治癒につながる新たな治療戦略として、HBBHBA1を置換するという考え方が実証された。

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