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発達医学:胎児の頭蓋成長の軌跡は2歳時の成長と神経発達に関連している

Nature Medicine 27, 4 doi: 10.1038/s41591-021-01280-2

多数の観察研究と複数の無作為化試験から、胎児の成長が環境からの傷害(例えば母体の感染)や予防的介入(例えば複数の微量栄養素の補給)によって影響を受け得ることが明らかにされており、これらは健康や成長、神経発達、さらには学業成績や成人になってからの収入にも長期的な影響を与えることがある。我々は、妊娠中の女性(n = 3,598)のコホートで、2012年から2019年にかけて世界の6か所で追跡調査を行い、国際標準に照らして妊娠14週未満から超音波によって長期的に計測した胎児頭蓋の成長軌跡と、2歳までの成長と神経発達の関連について調べた。5つの軌跡が、胎児腹部の成長、出生後の罹患率、身体計測値とは無関係に、出生時と2歳時の特定の神経発達、行動、視覚、成長の結果と関連していることが明らかになった。軌跡は妊娠20~25週の期間中に変化し、主に認知、言語、視覚に関するスキルの成熟に注目した鏡像パターン(正/負)と一致して、2歳時点での脳の発達と関連していた。今後の研究では、妊娠20~25週での成長の分岐に先立つ重要な機会という時期の前に乳児の神経発達結果を改善するための、妊娠中の予防的介入が持つ可能性について調べる必要がある。

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