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がん治療:転移性乳がんでのデュルバルマブと維持化学療法との比較:無作為化第2相SAFIR02-BREAST IMMUNO試験

Nature Medicine 27, 2 doi: 10.1038/s41591-020-01189-2

転移性乳がん患者において、維持療法としてのPD-L1(programmed death-ligand 1)に対する単剤抗体の効果は知られていない。SAFIR02-BREAST IMMUNO下位研究には、6~8サイクルの化学療法後にがんの進行が見られなかったHer2(human epidermal growth factor receptor type 2)陰性の転移性乳がん患者が含まれていた。患者(n = 199)は、デュルバルマブ(2週間ごとに10 mg/kg)または維持化学療法のどちらかに無作為に振り分けられた。集団全体では、デュルバルマブによる無増悪生存期間[調整済みハザード比(HR):1.40、95%信頼区間(CI):1.00~1.96、P = 0.047]や全生存期間(OS、調整済みHR:0.84、95%CI:0.54~1.29、P = 0.423)の改善は見られなかった。探索的サブグループ解析の1つでは、デュルバルマブはトリプルネガティブ乳がん(TNBC)患者のOSを改善した(n = 82、HR:0.54、95%CI:0.30~0.97、P = 0.0377)。探索的解析では、PD-L1+ TNBC患者(n = 32)の死亡HRは0.37(95%CI:0.12~1.13)、PD-L1 TNBC患者(n = 29)の死亡HRは0.49(95%CI:0.18~1.34)だった。TNBC患者では、探索的解析によってデュルバルマブ奏効性(OS)に対するHRは、CD274獲得/増幅型の患者(n = 23)では0.18(95%CI:0.05~0.71、ログランク検定、P = 0.0059)、CD274正常/喪失型の患者(n = 32)では1.12(95%CI:0.42~2.99、ログランク検定、P = 0.8139)だった。リンパ球(CD8、FoxP3、CD103を発現する)による腫瘍浸潤や、相同組換えの欠損では、探索的解析でのデュルバルマブに対する感受性は予測されなかった。ただし、生殖細胞系列BRCA変異を示す患者は1人だけだったため、この後者の知見の解釈には注意が必要である。本研究は、TNBC患者の維持療法での単剤デュルバルマブの評価を行うための論理的根拠を提供する。探索的解析では、CD274の増幅が感受性のバイオマーカーとなる可能性が明らかになった。なお、ホルモン受容体陽性でHer2陰性腫瘍の患者では、維持化学療法がデュルバルマブよりも効果的だった。

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